警察用語・隠語(か行)

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(以下50音順) 

 

外勤警察官・・・地域警察官の旧呼称。⇔内勤警察官

害者(がいしゃ)・・・犯罪によって被害を受けた人。「被害者」の略称。

がさ入れ・・・家宅捜索をすること。「がさ」は「探す」の反転。⇒家宅捜索

がせ・・・嘘や偽物のこと。

家宅捜索・・・検事や警察官の職権で被告や被疑者の家宅内に立ち入り、証拠品や犯人などを捜し求めること。⇒がさ入れ

完落ち(かんおち)・・・犯行などを全面的に自供・自白すること。

管轄・・・警察では主に警察本部や警察署の担当区域(権限が及ぶ範囲)。

管区警察学校・・・警察庁の地方機関である管区警察局付属の学校。管区内各警察本部の中堅幹部職員・管区機動隊・広域緊急援助隊等に対する教育や訓練を行う。主に警部補任用科や巡査部長任用科、国家2種採用の初任幹部科、一般職員係長任用科、一般職員主任任用科等が設置されている。

鑑識・・・犯罪捜査で遺留品などの資料を科学的に調べること。警視庁及び各警察本部の刑事部には鑑識課、各警察署の刑事課には鑑識係が設置されている。

 

鑑取り(かんどり)・・・被害者や被疑者の関係者をたどる聞き込み。


完黙(かんもく)・・・完全黙秘の略。

管理官・・・警視庁捜査一課の場合、課長、理事官に次ぐ役職。発生する凶悪犯罪について直接の捜査指揮にあたる。

聞き込み・・・犯罪捜査で手掛かりを得るため、方々に聞いて回ること。

機動捜査隊・・・通称「機捜(きそう)」、「機捜隊」。凶悪事件発生に即応するため、24時間体制で初動捜査にあたる組織。警視庁及び各県警本部の刑事部に設置されている。

機動隊・・・警察機動隊の略称。デモや国家行事の警備、緊急・非常事態に即応することを目的とした部署。警視庁及び各道府県警本部の警備部に設置。最近では繁華街などでの補導・防犯活動に機動隊を運用している県警もある。警視庁には九隊。大阪府警には三隊。

キャリア・・・警察組織の場合、国家公務員1種試験に合格して警察庁に採用された国家公務員の俗称。
将来、警察庁の幹部となるエリート。全国警察官約26万人のうち約500人程度がキャリアである。警察庁入庁時に警部補に任命され、警察大学校卒業時に警部に昇格する。

緊逮(きんたい)・・・緊急逮捕の略。

緊配(きんぱい)・・・緊急配備の略。

警察学校・・・警視庁及び各警察本部ごとに設置されている。採用試験に合格した者が、英語や時事教養等の一般教養と憲法・刑法・刑事訴訟法・柔剣道・逮捕術などの専門教養を修得する。

警察大学校・・・警察庁の付属機関。所属長任用予定者、警部昇任者、課長補佐昇任者、国家公務員採用1種試験合格者等の上級幹部に対し必要な知識・技能・指導能力及び管理能力を修得させるための教養を行う。また警察業務に関する研究も行っている。

警察手帳・・・警察官が職務上携帯し、その身分を証明する手帳。もしこれを無くせば戒告処分。


刑事官(けいじかん)・・・「署長を助け、警察署における刑事警察に関する事務および生活安全警察に係る事件捜査に関する事務を総括する。(滋賀県警察の組織に関する規則より抜粋)」主要警察署に設置される。階級は警視。

げそ・・・足や履き物のこと。「げそ痕(げそこん)」は足跡。

検挙・・・被疑者や犯罪事実を特定し、刑事事件として処分しうるに足る捜査を完了すること。あるいは、犯人と同定し、警察署に連行すること。

現行犯・・・現に行っている時、また行い終わった直後に発覚した犯罪。その犯人を逮捕することを「現行犯逮捕」という。厳密に言えば現行犯逮捕は通常の現行犯逮捕と準現行犯逮捕の2つにわかれる。

検視・・・検死。特に変死体または変死の疑いのある死体を調べること。刑事訴訟法229条では検視は検察官が行うことと規定されている。また同時に、検察官は検視を検察事務官や司法警察員(原則、巡査部長以上の警察官)に処分させることができるとも規定されているため、検視のほとんどは警察が行っている。警察では刑事・検視官・調査官が主に検視を行うが、あくまでも代行検視(検察官に代わり検視する)である。


拳銃・・・片手で撃てる小型の銃。ドラマのようにホルスターから抜いてすぐに実弾を発射できる仕組みにはなっていない。私服警官は常に拳銃は携帯していない。

現着(げんちゃく)・・・現場到着の略。

現逮(げんたい)・・・現行犯逮捕の略。

現場検証・・・事件や犯罪の起きた場所を調査して、事実を証明すること。

検問・・・疑わしい点や違反が無いかどうか調べ問うこと。あるいは、通行している車両を止めて行う検査。

交通機動隊・・・通称「交機(こうき)」。警視庁及び各警察本部の交通部に所属する。白バイやパトカーの機動力を駆使した警ら活動による交通指導取締、交通の誘導整理、交通事故の初動措置等を主な任務とする。他にも、二輪運転者等に対する交通安全教育やロード競技(マラソンなど)の先導、皇族の行幸に伴う先導といった任務も担う。特に白バイ隊員は、交通指導取締中の事故等で殉職者が多く、職務には危険を伴う。そのため、白バイ隊員として任務を行うには厳しい訓練をクリアしなければならない。また、交通違反の種類や点数と反則金額はすべて頭に入れておかなければならない。

交番・・・各警察署管内の要所に設置された警察官の詰所。キャリアもノンキャリアも初めは原則として交番に配属される。交番を設置している国は少ない。110番を受けて真っ先に出動することが多く、詳しい状況も把握できないまま現場に向かうため、捜査・装備をして逮捕に向かう刑事に比べて危険を伴う。そういう理由で、殉職者も多い。

公妨(こうぼう)・・・公務執行妨害の略。刑法第95条。